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スペインのセルビアで開催されていた第33回ユネスコ世界遺産委員会において、ドイツのドレスデン郊外にあるエルベ渓谷が世界遺産から抹消されることが決定した。世界遺産委員会は、エルベ渓谷に計画建設中の橋について、文化景観を損ねるとして、この橋の計画変更がなされない場合は、世界遺産から抹消するとの警告を発していた。
ドレスデンは、第二次大戦の連合軍による爆撃によって崩壊した旧市街や教会を、かつての景観を復元したことで知られる街である。しかし今回は、利便を優先した結果、世界遺産委員会は、かねての警告通り、これを世界遺産から除外したものだ。
世界遺産委員会は、文化的景観を守る為には、橋ではなく、トンネルにすべきだという提案をしていた。市側は、トンネルは工事費が嵩むとして、橋の計画を推し進めてきた。一旦世界遺産登録されたものが、抹消されるケースは、オマーンにある自然遺産に次いで2例目となる。
翻って、平泉の平泉バイパスを考えてみる。現在平泉バイパスは、現在も世界遺産候補平泉のコアゾーンである「柳の御所跡」に隣接する東の空間をかすめて北に伸びている。平泉の世界遺産登録のネックがこの過剰な公共事業「平泉バイパス」で、エルベ渓谷の橋と類似性が強く感じられる。芭蕉が「夏草や兵どもが夢の跡」と詠んだ平泉の美しい景観を、ないがしろにして、それをコアゾーンにしているのは、世界遺産も欲しい、利便も大事との発想だ。今回のエルベ渓谷の事例を冷静に検証すれば、平泉にとって柳の御所跡をどのように推薦書に盛り込むのかは、極めて重要な判断となる。
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